ヘボの所以

 この花知らなかったけどフシグロセンノウというのらしい。Wikiには「日本の固有種で、本州・四国・九州の山地の林下などに自生する。田中澄江が『花の百名山』の著書で、雲取山を代表する高山植物の一つとして紹介した」とある。漢字で書くと節黒仙翁。

 岩場に咲いていた。見たことないのかただ忘れているのか定かでないけど、少なくとも岩場で見た時は初めて見る花と思えた。でもこの岩場には何度も来ている。去年も見たのにスコンと抜けているのか。

 ここで去年の晩秋に手を付けてイイところまで行ったルートがある。林道のゲートが閉まって持ち越してしまった。まあいいや、ムーブは体に叩き込んだから来年やればすぐにできるだろう、と思いきや全然できない。頭では覚えている。だから動き出せば身体も思い出すだろう。でもそうはならなかった。

 節黒仙翁と一緒にムーブもスコンと抜けてしまったのか。それとも単にパワーが落ちているのか。多分前者。どこか肝心のキーとなるスタンスとか、ホールドの持ち方とか、何かを忘れちゃってるんだろうね。

 ここがヘボのヘボたる所以なんだろうなあ。「時は流れない。それは積み重なる」とショーン・コネリーはカッコイイこと言ってたけど、ヘボの技術は積み重ならない。ただ流れてしまう。 (G3)