クライマーの聖地

 8月に入ってやっと待望の小川山。いかに長雨だったことか。平日なのでいつもワチャワチャ人がいるあの人気エリアへ。クラックの中は少し濡れていたようだけどフェイスは完璧。

 しかし午後になるとアヤシイ雲が沸き立ち、頭の上でドカンドカンと雷さんが鳴り出したのです。雨雲レーダー見ると甲武信岳辺りが邪悪な色に染まり、そいつが右往左往してる。いつ降りだすか時間の問題のようでもある。せっかくやってみたいルートも空いてるのだけどめったなルートに取付くと回収できなさそう。というワケで確実に登れるルート限定となってしまった。

 あるクライマーが『小川山は雨が避けて通る。クライマーの聖地なんだから!』と言っていた。この日はまさにそうだった。世間から見ればほとんど病気のような思い込みだけど、確かにそういうことが多い気がする。でもね、いつもではない。現に何回かひどい目にあっている。降りだすとただじゃ済まない。とんでもない土砂降りになる。

 それはともかく、小川山は廻り目平まで行っただけでもうウキウキしてくる。浮世のしがらみをみんな忘れてとても幸せになれる。幸せになるのはクライマーに限らないからオートキャンプだけで来る人も大勢いる。でもそれはそれで駐車場がオートキャンパーに占領されて困るんだけど。まあ、みんなで幸せを分かち合うということで良いのかな。  (G3)