明けない梅雨はない

 実に2か月ぶりの外岩。しかし勇んで行ったカサメリ沢はヌラヌラと濡れていてとても取付く気になれない。それでもクライマーは大勢いて、何とか登れるようなルートは順番待ち。

 ということでカサメリ沢に見切りをつけて秘密の岩場に転進。そこは本来夏の岩場ではないが、陽当たり良いので乾いているのではないかと、涼しいカサメリ沢での発想で行ってみるとやっぱり暑い。が、乾いてる。それで十分。

 久しぶりということもあって極易しいルートでのアップからダラダラ始めたけど、それでも次第にエンジンがかかってくるから不思議。いや、勝負モードにまでなるワケではない。ダラダラがウキウキになるという意味。久しぶりに岩に触って、岩に遊んでもらっている喜びがよみがえる。

 色の付いていないホールドのどこをどう使って、自分なりのムーブをどう組み立てるかというフリークライミング本来の面白さに集中して、カサメリ沢でヌメヌメを見た時の脱力感からようやく解放された。やっぱりねえ、これなんだよね。岩を見て考えて、岩を触って感じて、それに身体が反応する。なぜだか分からないけどそれがとても楽しい。フリーはね、グレードじゃないんだよ。でもまあ、これにグレードがついてくればなお良いのだけど。 (G3)