薄暮の消防署

 7時を過ぎてもこの明るさ。夏至は過ぎたけどまだまだ陽が長い。なのに日本国は夏至を挟む1ヶ月余りが雨季という、クライマーにとってはまことに不都合な国。なんていうとバチが当たるかな。

 夏季限定、雨天中止とはいえ、こんな立派な壁が身近にあって自由に登れるのに文句言うんじゃねえ。まあそうだよね。平日に仕事終わってからルートを登れる環境はとても貴重だし、それもワールドカップだってできる13メートルもある立派なルート壁なんだから。確かにこれで文句言ったらバチが当たる。

 でもなあ、それでも梅雨はイヤだねえ。梅雨がなければ水不足になって生活も農業も大変なんだろうけど、クライマーとしては梅雨はイヤなんだよね。特に今年は週末になると天気悪い。なかなか外岩に行けない。なので梅雨の中休みの平日にこの壁で登れるのはとても有難いことなのです。

 もしこの壁がなかったら? 諏訪にあるジムはルートないから平日はジムでボルダリング、週末は外岩にという以外ないよね。つまり日本全国のクライマーにとってのフツーの環境ってこと。

 フツー以上の環境があるのに何で上手くならないのだろうと、じっと手を見る。