登っているこの子はわずか8歳！ 初めてのルートクライミングではあるがジムでのボルダリングはお父さんに連れられて経験済みとか。今から始めればどこまで登れるようになるのだろう。大人になるころには5.13登って中級者なんてことになるかも。
ホールドの欠片もない前傾壁を前に「人類が進化しないとここは登れない」とトキオさんがつぶやいたのを思い出した。「100年すれば登るヤツも出てくるかもしれないよ」と言ったら「100年じゃ人類は進化しない」と仰る。しかしね、いま彼が登っているような課題が登れると100年前には誰も思わなかったはずだよ。もちろん100年前とは靴が違うけど。
御岳のボルダー「蟹」二段や「虫」三段が登られたのは25年くらい前らしい。その頃そんなの登れる人はほぼ皆無だったはず。でも今は三段登ってもロクスノの再登情報にも載らない。
64年東京五輪マラソンで優勝したアベベのタイムは確か2時間12分くらいっだった。今そのタイムじゃ五輪代表にもなれないだろう。50年経てば世の中の常識は変わる。ましてや100年経てば天動説が地動説になり得る。
逆に言えば50年、100年経っても色あせないものってのはとんでもなくすごいということ。漱石の「こころ」は今でもよく読まれているらしいけど、身体的なことでそんな記録はなさそうだなあ。つまり、人類は身体的には進化してるけど、精神面では進化してないと、そう言えるのかな？ (G3)